ガンガン部隊
港町小樽から北海道内陸地へ毎日のように新鮮な魚介類を運ぶ行商の人々。女性たちの多さが目立つ。背中に背負った魚箱はブリキ製。お得意さんの待つ町に、少しでも早く出かけようと、足早に一番列車に向かう。いつも目にするその姿をいつしか「ガンガン部隊」と呼ぶようになった。
「ガンガン部隊」の活躍は昭和20年代末〜同30年代。彼らのために専用客車が登場するほど盛況を呈したこともあった。
目的の駅に着くと、お得意さん廻りが始まり、好みの魚介類をお客の好みでたくみにさばいて見せた。
昭和の一時期、一世を風靡した行商の人々。肩に食い込む重さに耐え、前かがみに歩くその姿には、北の大地に根をおろした母のたくましさがあった。